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剣の勝負に敗れ、勢いよく走り去ってしまった武蔵。
夜になってから戻った彼を出迎えると、ぐう、と大きな音が……。
武蔵
「では……いただきます」
武蔵
「……うん、うまい! 姫様が握られた飯は極上ですね。さすがです!」
主人公
「ただのおにぎりに大げさだよ。武蔵くん、ご飯粒ついてる」
武蔵
「あっ、すみません!」
はっとして謝る武蔵の声に影はない、ように聞こえる。
主人公
「……もう大丈夫?」
武蔵
「ご心配をおかけしました。でも、宿の周りを走っているうちにすっきりしましたので。気が沈みそうな時は、身体を動かすのが一番です!」
武蔵
「次は負けません。相手に天賦の才があるのであれば、オレはそれ以上に努力するだけです!」
武蔵
「そのためにも……力を、つけなければ………………」
もぐもぐ、ぱくぱく。おにぎりが消えていく。暗い夜空の下、彼はどこまでも明るい。